
帰宅願望ってうざい…
こんなこと思っちゃいけないんだろうけど正直しんどい
うざいって思っちゃう自分も嫌になる…
何か帰宅願望のいい対処法ってないの?
介護現場でよくある帰宅願望の対応。
何言ってもダメだし、落ち着いてくれたと思ったら10分後にはまた「帰ります…」って毎日毎日同じことの繰り返し。
心・が・折・れ・る
これが症状なんだから仕方ないってわかってるけど正直何度も同じこと言われるとしんどいし、ぶっちゃけうざいって思っちゃうんですよね。
なので、今回はこの「帰宅願望がうざい」って思うことは正常であって自分を責めるべきじゃないこと、対応が難しいのは帰宅願望のせいだけじゃないってことについて解説していきます。
本記事の内容
- 帰宅願望をうざいと思うのは正常
- 帰宅願望をなくすのはあきらめよう
- 無駄をなくすために改善あるのみ
資格をとってトライ&エラーを繰り返しうまくいったことも失敗したこともあります。
教科書だけでは学べない「経験」を積んで見えたこともあります。
帰宅願望がうざいと思うことは正常
どこの施設にもいる”帰宅願望の強い人”ですがぶっちゃけ「うざい」って思うことありますよね?
これは正常です。
なぜかというと、何度も同じことを言われ続けることや家帰れるはずもないのに訴え続けるのを聞き続けないといけないからです。
正常なので、気にすることはありません。ただ気をつけたいのは、それを表に出さないこと。
認知症のある人は認知機能は低下していても感情はあります。
あなたのネガティブな感情が伝わると、さらに対応が難しくなるので心の中で「うざい」って叫びましょう。
うざいのは帰宅願望だけじゃない
帰宅願望よりもうざいことがあります。
それは対応の仕方が悪い
こうやって現場の職員に責任を押し付ける人たちです。
こんな人いますよね?口だけ出して実際に一度も利用者と関わったこともないような人…
認知症の症状だからなのはみんなわかってます。
当然、帰宅願望に対するアプローチの仕方はたくさんあって研修や書籍でたくさん学べるし試すこともできます。
もちろんこういったアプローチは間違ってないのもわかってます。
だって、時間をかけて実践すれば上手くいった事例もたくさんあるからです。
なので上手くいかない原因は他にもあるってことです。
ほんとにうざいのは「帰宅願望のある利用者」じゃなく、こういった「現実をみようとせず現場に押し付ける人たち」です。
イライラするからって自分を責める必要はない
「利用者にイライラする私ってだめだなぁ」とか自分を責める必要はありません。
なぜかというと思い通りにいかないことにイライラするのが人間だから…
「プロだから」とか「相手は認知症があるんだから」とか言われたりしますが、相手がどうであろうが感情をなくすのは無理な話だし、そもそも仕事のために介護士自身が人間らしさを失うってことになります。
なのでイライラしたり「うざい」って思ってしまう自分を否定する必要はありません。
むしろ「人間らしい」って褒めてやるべきです。
相手に見せない心の中まで善人でいる必要はないです。
心の中は悪人になって、心にゆとりを作って対応するのも認知症ケアの大事なテクニック。
自分を責めるのはやめて、心の中では悪人になりつつも誠実に対応していきましょう。
※下記の記事で心の中では悪人になってうまく切り抜けていく方法について詳しく解説しています。どんな相手でも効果的だし、イライラを上手に吐き出すコツもわかるので参考にしてみてください。
>リンク
帰宅願望をなくすことをあきらめるのが合理的
まず帰宅願望をなくすことはあきらめましょう。
えっ?って思うかもですが、いったんあきらめることが大事です。
なぜかというとあなたが学んだ対応方法が実践できるほどの環境がないからです。
学んだ対応方法は間違いじゃありません。
ボクにも成功体験があるからこれは間違いないです。
帰宅願望がなくならない原因は対応方法そのものじゃなく、対応方法を実践できてないことです。
なので、できない環境で無理やりやろうとするのは合理的じゃないのでいったん帰宅願望をなくすのはあきらめて、きちんと対応できるようになるための環境づくりをしましょうってこと。
管理者の合理的な行動で職員が損をする
ボクの例で申し訳ないんですが、うちの施設であった無駄は以下の感じです。
- できることを介助する
- 無駄な申し送り
- 無駄な会議
- 無駄な雑用
ざっくりこのあたりでした。
この無駄はわりと共通認識されてたんですが、放置されていて愚痴だけが蔓延してるって感じでした。
職場によって”無駄”の内容はそれぞれですが、共通認識されてるのに放置されてるってのはわりとどの職場でもあるのが実感としてあります。
というのもこれだけ無駄があって放置してても管理者側にとっては合理的な行動です。
なぜかというと改善されたところで大きなリターンはないし、愚痴られながらも仕事が回ってればOKだから…
結局損するのは無駄な仕事を続ける職員の方ってことです。
お局職員を放置するってのもいい例ですね。管理者は離れたところにいるので被害は少ないし、職員が我慢してれば時間は過ぎていきますからね。
無駄を改善することで職員に大きなリターンを
上記であげた無駄をなくして大きなリターンを生み出すことが大事です。ここでの大きなリターンは帰宅願望を減らせることです。
帰宅願望を減らさないことにはいつまでたっても楽にはならないので、無駄を改善して帰宅願望にフォーカスできる環境をつくろうってこと。
そのために職場にはどんな無駄があるのか知る必要があります。
利用者自身でできることは介助しない
よく役割を持ってもらうのがいいって言われますが、これってほんとで何かに熱中してたりするとその時間は訴えないってことが多いです。
これを新しく考えるんじゃなく、日常の中で介助してるところに目を向ければOKです。
- 枕カバーの交換
- 部屋の掃除
- 部屋のトイレ掃除
- ゴミ捨て
- 自分の洗濯物たたみ
- 食器洗い
上記はわりとできる人多いです。
帰宅願望の有無にかかわらずこれらをやってもらうことで単純に職員の仕事が減るのでおすすめです。
無駄な申し送りはやめるべき
申し送ることは大切ですが、必要のない情報まで伝達し時間をムダにするというケースがあります。
またまたボクの例です。
基本的には以下の6人が参加。
- 施設長
- 主任
- 日勤者(各フロア1名)
- 夜勤者(各フロア1名)
これだけ集まって自分に関係のある情報を得られるのはわずかです。
大事なのはシフト制の勤務なので、情報をつなげて共有すること。
各フロアの情報を密にすることが大前提です。
なので各フロアでの申し送りにすることで移動時間、全員集合するまでの待ち時間をなくしました。
ぶっちゃけ劇的によくなったわけじゃないけど、伝達ミスは減ったのでそもそも今までのやり方が無駄だったってことです。
無駄な会議はやめるべき
時間外でまとまらない話や愚痴を言い合って前に進まない。
こんな会議は時間もお金も捨ててます。
- 議題は決めておき、個人が意見を持ったうえで参加する
- 議題は会議じゃないと議論できない内容にする
- そもそも普段から意見交換しておけばいい
ざっくりこんな感じです。
普段からできることをわざわざ会議の時間に話す必要もないので、、、
これはみんな早く帰れるし、職場側も時間外手当の支給を減らせるしWin-Winなのでわりとすぐできます。
無駄な雑用はやめるべき
入居者の日用品の買い物や車いすの整備とかわりと職員がやりがちです。
小さなことや簡単なことでも積み重ねれば大きな時間のロスになります。
「自分がやったほうがはやい」って考えは後々自分の首を絞めることにつながります。
なので依頼しましょう。
入居者の日用品は原則家族に依頼する
これが一番です。
職員が何もしなくても日用品が揃うので。
何より入居は喜ぶし、家族がいる間はほぼほぼ対応は必要ないです。
なので家族の面会を増やすこと。
遠方だったりでなかなか来れない人は、手紙を添えて送ってもらったりします。
施設で対応するときはネットで注文して、職員の時間を削ることは最小限にします。
車いすの整備
うちの施設は基本的に車いすは個人でレンタルしてもらってるので、業者に全部任せます。不具合あれば交換してもらえるし、職員が動く必要はありません。
施設用の車いすも、普段レンタルしてるからということで定期的にチェックしてもらってるので職員はほぼノータッチです。
無駄をなくすためには改善あるのみ
業務改善が帰宅願望に対応するために最優先すべきことです。
先述したとおり、介護現場は無駄ばかりです。
しかし、改善されません。これが改善されればストレス激減します。
なぜかというと無駄が減って時間ができたぶん帰宅願望を減らすための対応ができるようになるからです。
そのためにはまず、介護現場で無駄な仕事が多いのに改善されない理由をまず考えるべきかと、、、
その理由は「改善する目的もわからない。そもそも無駄と思ってないから手をつけるべきところがわからない」ってのが現場目線です。
管理者側からすれば「いま業務が回ってるんなら、苦情もないしこのままやり過ごそう」ってところでしょうか。改善したところで収益増えるわけじゃないし見て見ぬ振りが合理的っていうのが本音かと。
結論として、問題点は自ら改善する
現場で無駄な業務、無駄な対応など問題点があるなら自分が中心になって改善すべきです。
え?なんで自分が?って思うかもですがあなたがそこに気づいてるなら、あなたが動かなければ何も始まりません。
もし行動できないなら、その環境に文句は言えません。
なぜかというと気づいても動かないあなたは、思考停止して無駄な仕事をしている仲間の一員になるからです。
なのでまずは自ら動きましょう。
改善提案して嫌われるなら職場に未来はない
職場によっては「無駄を改善しようとすると、文句を言われたり嫌われる」ってことがあるかもしれません。
この職場に未来がない証拠です。
明らかに改善できる合理的な提案を出しても受け入れないってことは「非合理の方を受け入れる」ということ。
極論「質はどうでもいい」って思ってる可能性があります。
こんな職場は働きづらいだけだし、この先変わることもないです。職場を変えるのも選択肢に入れたほうがいいです。
>リンク
職場に文句があるなら、改善提案するべき
よく愚痴ってる人がいますが、文句があるならまず「改善案も一緒に言うべき」ですね。
それがないならただの愚痴。何も変わらないのは当たり前。問題があるのは職場だけの責任じゃなく半分は自分たちの責任でもあります。なのでいい職場で働きたいなら改善提案をするべきってことです。
まとめ
今回は”帰宅願望をうざいと思うことは正常”なので、そこからやるべきことを見つけて行動しようって話でした。
ポイントをまとめておきます。
- 帰宅願望がうざいって思うことは正常だから自分を責める必要はない
- 帰宅願望をなくすことをあきらめるのが合理的
- 無駄をなくすために改善あるのみなので改善提案をしましょう
こんな感じ。
改善できないのはみんなの責任。
誰かのせいにして思考停止するのが一番まずいです。
考えつつ行動する。これが基本です。
帰宅願望がうざいって思ってしまう自分を受け入れて、できることから始めましょう。
できないことはそうやってもできないので…
文句ばかり言って何もやらない「うざい職員」にならないように気を付けるべし!
終わりっ!
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