
でもPDCAサイクルって介護現場で使えるの?
具体例を知りたい。
業務改善したのに「前のほうがよかったじゃん」とか言って従来のやり方に戻っちゃったりすることありません?
これはPDCAを回してないから。
同じところを行ったり来たりしちゃうんですよね。
今じゃ古いとか何とか言われちゃったりすることも多いけど、ぶっちゃけこれでうまくいくことも多いのでボクは全然使ってます。
なので、本記事ではPDCAサイクルの簡単な解説とセンサーマットを撤去した具体例をシェアします。
この記事でわかること
- PDCAサイクルの概要
- 介護現場での具体例度の理解
この記事を書いているボクについて
そんな時は基本的にPDCAサイクルを回しながら対応しています。
PDCAサイクルの概要
まずはざっくりPDCAサイクルについて解説します。
PDCAサイクルは、生産技術における品質管理などの継続的改善手法。Plan→ Do→ Check→ Actの 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する。PDCAサイクルは、主に日本で使われ、Aのみが名詞のActionといわれる。
PDCAサイクルとは
- Plan=計画
- Do=実行
- Check=評価
- Action=改善
1つずつ解説します。
Plan=計画
目標を決めて、その目標を達成するために何をするべきか仮説を立て、計画を立てることです。
5W1Hを意識して細かく考えるのがポイントですね。
計画表みたいなのを作ってみんなが共有できるようにしておくと、認識のズレが少なくなるのでおすすめ。
介護でいうケアプランはこれにあたります。
Do=実行
計画に沿って実際に行動します。
計画したことを意識し、だれが見ても結果が分かるように、指標は数値化したほうがいいです。
ただ、介護現場では数値化が難しい事例もたくさんあるので、数値にできなくても客観的にみれる指標を決めて記録することが必須です。
介護では実際に提供するケアがDoにあたります。
Check=評価
計画に沿った実行が出来ていたのかを検証することです。
実行した結果が、良かったのか悪かったのかを判断します。
その時に、Do(実行)で具体的に数値化したものか客観的な事実を記録しておくと具体的な根拠ができるので検証の正確性が増します。
ちなみにこれは介護でいうモニタリングです。
Action=改善
検証結果で見えた課題の解決策を考え改善することです。
実行した結果、この計画を続けるか・止めるか・改善して実行するかなどを、この段階で考えます。
この時に、次のサイクルの「Plan」を意識して考えることがめっちゃ重要です。
ここはアセスメントと解釈しましょう。
ここから新たなプランが生まれます。
具体例:介護現場のPDCA
目標はAさんのセンサーマットの撤去。
センサーの対応がとにかく大変で、マジでみんながめっちゃストレスになってました。どうにかしたいってのが職員全員一致の意見でした。
当然ことあるごとに職員がそばに来て声をかけられて、本人のストレスも相当なものだったでしょう。
Aさんはこんな人
対象になったAさんの情報は下記。
Aさんの基本情報
- Aさん 90代 女性 要介護度:2
- 障害高齢者の日常生活自立度:B2 認知症高齢者の日常生活自立度:Ⅲ
- ADL
- 移動方法:車椅子(自走可能)
- 起立:何かにつかまれば可能
- 起き上がり:つかまれば可能
- 移乗動作:時間は要するが可能
- 衣類着脱:自立
- 排泄:日中はトイレ(リハビリパンツ+パッド)、夜間はオムツ
- 環境:センサーマットを設置し、職員が動作時の見守りを行う。
実際の取り組み内容
最終的にセンサーマットを撤去するためにどんな感じでPDCAサイクルを回したのか順に解説します。
1サイクル目
センサーマットを撤去するということは、見守りなくトイレで排泄できることが確認できないと危険です。
センサーがなかったら一人でトイレ行っちゃいますからね。このへんを意識して回してみました。
こんな仮説を立ててできたのが下記。
- P:トイレに手すりを設置することにする
- D:実際にトイレに手すりを設置
- C:動作の確認
- A:センサーマット撤去を検討
1サイクル目では介助なしで問題なく動作を行う事は確認できたけど、夜間はオムツを使用を継続。この段階ではセンサーマットも常時設置は変わらず。
なのでAさんとその対応に追われる職員はまだストレス満載。
センサーマットの撤去が可能か2サイクル目で検討していくことに決定。
2サイクル目
1サイクル目の課題からセンサーマットの撤去が可能かチェックする計画を立て実行。
それが下記。
- P:センサーマットの撤去が可能か確認
- D:移乗・排泄動作の確認
- C:動作のチェック
- A:センサーマット撤去し、オムツ使用中止
見守りするなかで動作の確認をし、評価の結果、動作全般をスムーズに行えたので3サイクル目ではセンサーマットの撤去とオムツ使用からリハビリパンツへ変更する計画を立てました。
3サイクル目
実際にセンサーマットの撤去しました。
そして夜間もリハビリパンツ+パットへ変更し、安全に動作が行え危険な行動がないかチェックすることに。
- P:センサーマットの撤去、夜間もリハビリパンツ+パットを使用することに変更
- D:センサーマットの撤去、夜間もリハビリパンツ+パットを使用し観察
- C:動作のチェック
- A:転倒に繋がりそうな動きがあり、環境整備が必要
3サイクル目を回した結果、排泄動作は問題なかったけど排泄以外の場面で時々転倒に繋がりそうな行動がみつかりましたが、センサーマットを撤去することができました。
3サイクル目で当初の目標は達成。こんな感じで整理しながらやっていくとわりと動きやすいです。
PDCAの順番にこだわらない
常にPから始める必要はないです。
なぜかというと、基本的に介護現場では何かをやりながら課題に気付くことが多いから。
例えば今までは問題なくできてたことができなくなってきた時なんかは、すでにDoはしてますよね?
上記の事例もまさしくそうです。
なので、DCAPみたいな感じになってると思います。新しい利用者の場合はAPDCって流れになりますね。
どこからはじめても流れは一緒なので気にすることはないです。
利用者相手じゃなくてもOK
PDCAサイクルは利用者相手じゃなくても全然OK。
なぜかというと冒頭で述べたとおり、もともとは生産技術における品質管理などのために陥られた手法だから。
業務改善や人間関係なんかでも全然大丈夫です。回せば回すほど慣れて上手くなっていくのでガンガン回しちゃいましょう。
まとめ
最後にまとめます。
この記事のまとめ
- PDCAサイクルとは
- Plan=計画
- Do=実行
- Check=評価
- Action=改善
- PDCAでセンサーマットを撤去できた
- PDCAの順番はこだわらなくていい
ぶっちゃけるとほとんどのスタッフがPDCAサイクルについて全くわからない状態からスタートしたのでめっちゃ大変でした。
それでも一人二人となんとなく理解していろいろ質問とかアイディアとか飛び交うようになったので、まぁやってみてよかったなぁと。
ただボクが作った計画表は「細かすぎる」と めっちゃ不評でした。
おわり。
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